【重要】新型コロナウイルスに関する移住定住支援の対応について

日高川町に学習塾を開業!起業✕田舎暮らしを楽しむライフスタイル

日高川町に学習塾を開業!起業✕田舎暮らしを楽しむライフスタイル

日高川町の川辺地区にある個別塾「WIST LAB.(ウィストラボ)」。経営者の黒瀬さんは、東京から和歌山県への移住者です。「元々、学習塾で起業しようと思ってたわけじゃないんです」と話しながらも、学習塾への強い思いを話してくださる黒瀬さん。フレキシブル、かつ着実に田舎でのライフスタイルを作り上げる方法についても、興味深く聞かせていただきました!

日高川町の景色が開業を後押ししてくれた

ーマリンスポーツが趣味とお聞きしました。和歌山県に来る前からマリンスポーツは趣味だったんですか?

黒瀬:ちょっとずつやってました。一番最初はカヌーをやってたんですよね。なので、移住先は海や川に近い立地がいいな、と思ってました。

日高川町には、日高川がある。山あいに日高川が流れてて、山から朝日が見えるのがすごくキレイで。その景色が気に入って、日高川町を選んだのはありますね

海でサーフボードに乗る男性
沖縄でマリンスポーツを楽しむ黒瀬さん

黒瀬:もちろん日高川町のテナントが見つかったのが理由の1つなんですけど。環境が良かったから「ここでお店がしたい」って即決できた。

即決できなかったら、前の職場で働き続けていたかも知れない。日高川町の景色が背中を押してくれた部分は、かなりありますね。

(隣町の)御坊市の野口オートキャンプ場には、都会の人が日高川の朝の景色に感動したくて、わざわざ泊まりに来る。

私は毎日、通勤しながらその景色を見れてる。その景色を見ながら「日高川町に来てよかったな〜」って思ってます。

ー和歌山県に住み始めたきっかけは?

黒瀬リフォームの仕事での独立をイメージしていたので、海が近い和歌山の職業能力開発促進センターに通うことにしました。

同縁を施工中の男性
住環境計画科で学ぶ黒瀬さん

ー職業訓練に通ってるうちに和歌山の環境が気に入った?

黒瀬:和歌山に下見に来た段階でけっこう気に入ってたかな。のんびりしたかったので、せかせかしてない和歌山の雰囲気が良かった(笑)。

その後、つなぎで塾講師をやってて。大手の塾に勤めることになりました。

ゆくゆくは自分のお店を持って起業したい、と思っていたので。教室長が独立したときにオープニングスタッフとして働きながら、開業について学ばせてもらいました

教室長の2号店をやりたい、って思い始めて、場所探ししながら日高川町の景色に背中を押されてオープンまでいけた、っていう感じですね。

データベースを活用した効率的、かつ丁寧な指導

カウンター席の勉強机
小料理屋の名残が残るユニークな学習スペース

ー個別指導とお聞きしましたが、どのようなタイムスケジュールで教えているのですか?

黒瀬:普通の個別指導塾は、1時間半刻みで授業時間が設定されてるんですけど。うちは、30分刻み

例えば、17時から教え始めて。問題演習になったら私の手が空くので、17時半の生徒に教える、っていう流れです。

ースケジュール詰めてますね(笑)。すごい効率的です!

黒瀬:先生が生徒につきっきりで見てあげると、先生が居ないと出来なくなるんです。

演習時間を多めに取ると、生徒さんが「分かってたつもりだったけど出来ない」って気づいてくれる。

私が他の生徒さんの対応で忙しくしてても、生徒さんが次の課題も先に進めてくれてます

ー生徒さんの自主性が育ってますね。以前から「自分の塾はこのスタイルでいこう」と思っていた?

黒瀬:塾業界ってまだまだアナログで。学習の進捗状況の記録は複写式の用紙に手書きでした。「何でこんなにアナログなんだろう?」って疑問があって。

私は、学習記録はデータベースで管理して、クリックするだけで記録ができるようにしています。

そのおかげで、私1人でもたくさんの生徒さんを教えられるんですよ。

テーブルのある自習スペース
自習スペース

ーこの塾で大事にしてることは、ありますか?

黒瀬:大手塾は個別のカリキュラムがあまり作れていない。私は生徒1人1人にカリキュラムを作ろうと思ったんです。

個別指導って「とことん教えます」って言っていても、時間が決まってることが多い。だから私は「授業おかわり無料」にしてるんです。

個別指導でおかわり無料をしている塾は少ない。この辺は保護者が「本当にとことん見てくれるんだな」って安心して入塾してもらえる点だと思います。

田舎の口コミパワーが集客に繋がった

ー開業したのはいつですか?

黒瀬2020年3月に本オープンですね。その時、けっこうヤバくて……。チラシを配った翌日くらいに、コロナで全国一斉臨時休校になっちゃったんです。

いきなり集客失敗(笑)。普通は、最初にガッと何十人か生徒さんを集めるんですけど。いきなり赤字状態でした。

地道に、チラシ配りながら顔を覚えてもらおうかな、と思ってたんですけど。集客は新聞の折り込み広告だけしか出来なかった。

ー2020年当時は、チラシすら感染源、みたいな風潮までありましたしね。

黒瀬:そうそう。何が感染源かよく分かんなくて。でも少ないながらも、生徒さんが何人か来てくれたんです。

だから「来てくれた生徒さんに向き合おう」「目の前のことだけ一生懸命やろう」と思った。

その後、生徒さんが頑張ってくれて、徐々に口コミで生徒さんが増えた、って感じです。

日高川町は、人と人との距離が近い。だから、口コミで来てくれる人信頼度が最初から高いんですよ。体験授業に来てくれた生徒さんは、だいたい入塾してくれます。

都市部だと塾の選択肢がいっぱいある。体験しても半分は入塾しないんですけど。やっぱり、田舎は保護者同士も、人と人との距離が近いですね。あったかい感じがします。

黒瀬さんお気に入りの通勤の景色

ー体験授業の時点で、すでに入塾を決めているということですね?

黒瀬:そう、当日に入塾してくれる人も3人に1人くらいはいる。保護者さんが丁寧な印象はありますね。口コミも広がりやすいというか。

ー開業前から「田舎は口コミで広がりやすい」というのは想像してましたか?

黒瀬:悪い評判はすぐ広がるだろうな、とは思っていたので。下手なことはできないな、とは思ってた(笑)。

悪い評判だけじゃなくて、良い評判も広がりやすいのはそこまでイメージしてなかったです。

ここで塾を開業したら、2階に美容室が出来たんですよ。そしたら、美容室に来てるお客さんが塾を探してて。「美容室でこの辺によく来るから、体験授業を受けてみようかな」って言ってくれたり。

逆に、うちの生徒さんが2階で髪切ってたりすることもあります(笑)。

ーいい循環ですね!都会と違って、関係が近いからこそ循環も起こりやすいというか。

黒瀬:そうそう、良い循環ですね〜。

日高川町は「ブルーオーシャン」

ー子どもがターゲットの塾を、あえて少子化が進む田舎で開業したのは、何か意図があったのですか?

黒瀬自分の店を持とうと思った時、和歌山市創業支援セミナーに参加したんです。

セミナーに参加すると優遇があるのでとりあえず参加しておこうかな、って。講師の話が面白くて、参加者の熱量も高かった

そのセミナーに良い影響を受けて。本屋にビジネス書を見に行ったんです。その時に買った本が……(本を実際に見せながら)。

ー「ブルーオーシャン」(笑)

黒瀬:そう(笑)。ブルーオーシャン戦略っていう本に「競争過多のレッドオーシャンで疲れてませんか?ブルーオーシャンを探しましょう!」と書かれてて。

書類とブルーオーシャンの書籍
本だけでなく、インタビューに必要な資料を事前にたくさん用意して下さいました。

ー地方での塾開業は強豪が居ないからブルーオーシャンだった?

黒瀬:そうですね。開業の地域を探す時、ある程度の規模の中学校があり、かつ塾がないところで探してた。

御坊市あたりは、何百人もの生徒さんが居る中学校がいくつもあって、進学校の日高高校がある。

だけど塾があまり無い。しかも大手の集団指導の塾がないので。そういう意味では日高川町は……。

ー……ブルーオーシャン?(笑)

黒瀬:そうそう、ブルーオーシャンだったんですよ(笑)。

都会と生活スタイルを変えなくても田舎暮らしは実現できる

ーこの土地の風習や文化で困ったことはありますか?

黒瀬:私、そんなに田舎暮らしらしいことは出来てないんですよね。移住した当初はアパート暮らしだったので。都会で暮らしてた時と、あまり生活スタイルが変わってない

地元のお祭りとかに参加できてなくて。今、色々と人脈が広がりつつあるので、今後は地域に関わることをやっていきたいと思ってます。

田舎暮らししたい人って「景色がキレイだし、田舎に行きたいな」って思いつつも、地域の文化に馴染めなかったらどうしよう、って不安になって移住のハードルが上がっちゃうと思うんですけど。

私の今の生活だと、田舎と都会の生活の違いが全然ない。スーパーも24時間開いてるし、ファミレスもコンビニもある。

私が元々、ウィンドウショッピングとか夜に飲み歩くライフスタイルじゃなかったのもありますが。1人で暮らす分には暮らしぶりは変わらないですね。

チェーン店は少ないけど、個人経営の隠れ家的なカフェに行ける。都会だったらめちゃめちゃ混んでて、私みたいな男一人で行けないところが、時間帯によっては入れたり。

そういうところに仕事前にランチに行ける。都会でランチする時はチェーン店ばかりだったので。その点は、都会に居るときよりも生活のクオリティが上がってますね。

海でサーフボードに乗る男性
和歌山でマリンスポーツを楽しんでいる黒瀬さん

ー印南町に一軒家を購入されたんですよね。これからは地域の人との関わりも増えるんでしょうね。

黒瀬:でも、家の場所が別荘地なんですよね。お向かいさんも夏場しか居ないみたい。山の方だと、地元の人との関わりがあると思うんですけど。海沿いって別荘地が多くて。近所付き合いは希薄そうな感じです(笑)。

ーそれは敢えて、人付き合いが少ない土地を選んでるわけではない?

黒瀬:それは若干あるかなぁ?都会の生活に慣れてて、地元の人との距離が近すぎるのはちょっと……みたいな人でも、場所を選べば住みやすいところが見つかるかも知れませんよね。

同じ地域内、日高郡でも場所によってずいぶん違うので。私みたいに印南町に住みつつ、日高川町で仕事する、みたいなスタイルもある。

生活に慣れてきたら徐々に人脈を広げていくのもアリだと思います。

興味のあること、やりたいことに溢れている

ー塾を一生続ける、というよりは、やりたいことが見つかったら柔軟に動く?

黒瀬:そうですね。塾は収入の柱としてありつつも、他にも色々やりたい

去年は農業塾に通ってて。農作物でマルシェに出店するものいいな〜って思ってました(笑)。

農作物にネットをかける順位をしている3人
和歌山県のウイークエンド農業塾に通っている黒瀬さん(右)

黒瀬IT系の仕事をされてるのも羨ましいな、とか。色々関心はあるけど、まだ行動に至っていません(笑)。

移住した当初は自分のことで精一杯だった。今は塾が落ち着いてきたので、人脈を広げたいですね。

ーそこの本棚を見ると、色んなことに関心をお持ちなのが分かります。

本棚の本
好奇心旺盛なことが伝わる本棚の一角

黒瀬:その本棚は今、自分が興味ある分野です。来年は、また違うことに興味が出てくるかも知れませんけどね(笑)

ーこれから人脈が広がって、色んな世界が広がるのが楽しみですね!

プロフィール

黒瀬健介(くろせけんすけ)さん

建物の前に立つ男性

東京都文京区出身。宮城県の大学に進学後、就職で茨城県へ。茨城県の大手建設機械の会社で勤務後、和歌山県へ移住。リフォームの勉強をする傍ら、大手塾講師の仕事を始める。その後、塾として独立をすることを決め、2020年3月日高川町に学習塾を開業。趣味のマリンスポーツや農業の勉強など、興味のあることに邁進しながら、田舎暮らしを楽しんでいる。