農業に興味のある方は、「日高川就農ガイド」を見てね。

お遍路でたどり着いた日高川町での「最高!」の田舎暮らし

旅の途中でたどり着いた日高川町での「最高!」の田舎暮らし

美山地区にある「美山の湯」から、さらに10分ほどクルマで山奥へ進んだ先にあるのが妹尾(いもお)集落。かつては消滅集落だった所に川村さんご夫妻が移住し、地元の弘法大師像の修復もされました。移住後の時間を「最高!」と即答できる二人の、ゆるやかで軽やかな生き方。今春、開業予定のカフェについても話してくださいました!

 

お遍路がきっかけで日高川町に移住を決める

ーお二人はどこで知り合ったんですか?

章乃:私は香川県出身です。(泰英さんは)お遍路で香川に来てて。香川からお遍路を始めたんですけど。そのまま、ずっと香川に沈没してた。

ー沈没っていうのは、長期滞在ってこと?

泰英:そうそう。気づいたら、香川に10年くらい居ちゃって。その間にお遍路はやらず(笑)。ずっと「これじゃ、ダメだなぁ」って思いながら。

意を決して「お遍路に行きます!」って決めた。そしたらカジちゃん(章乃さん)も一緒に行くって言って。

章乃:最初、軽い気持ちで一緒に行くことを決めて。そしたら冬の野宿、毎日峠越え……修行でしたね(笑)。でもめちゃめちゃ楽しかった

お遍路中はデジタル機器を置いて出たので、これはインスタントカメラでの写真。

章乃:8年くらい(香川県の)女木島に住んでたんですよ。

島は最高の場所で大好きだったんですけど、借りてた家がずっと住むって気持ちになれなくて。「どこかに良い家がないかな?」って思ってた。

お遍路のお礼参りに、和歌山の友だちのところに遊びに来たんですよ。そしたら友だちから、たまたまこの家を紹介されて。すぐにこの家が気に入って住むことにしたんです。

川村さんのお宅。築100年近い古民家。

章乃:ずっと次の住まいを探してた時に、お遍路に行ったら、すぐに家が見つかった。(泰英さんは)お遍路に行かないと、どっちみち香川から出られん、とは思ってたけど。

それが、お礼参りに行った途端に家がすぐ見つかったから。「ええ!」ってビックリ。

泰英:うん、奇跡だよね

ーすごいタイミング!まるでお遍路のご利益みたいですね。

 

よみがえった弘法大師像と消滅集落

ー弘法大師像を修復することになったきっかけは何だったんですか?

章乃:引っ越してきた時に、集落のお堂の中を見たんですよ。そしたら「ボロボロだけど、これ空海さんやん!」って気づいて。

高野山大学に通っている仏画師の友だちに「この空海さん、自分らで直せるんかな?」って聞いたら、大学の仏像修復の先生に聞いてみようか?って言ってくれて。

友だち経由で先生からやり方を聞いてたら「自分たちで修復できそうちゃう?」ってなった。

他にも彫刻家の友だちも居て「いっしょに修復やりたい!」って言ってくれる人が周りにおったから。「じゃあやろう!」って。

弘法大師像の修復の様子

ー元々、川村さんたちが修復の技術を持っていたわけじゃない?

泰英:無いです。最初は、お堂をキレイにして、空海さんのボロボロの部分を拭いたりとか。掃除はしたいな〜くらいな感じだったんですよ。

それぐらいだったら、僕らにもできるかなって。そしたら本格的に……。

章乃:解体が始まったな(笑)。

泰英:解体すんの?!ってなって。修復しちゃったっていう。

ーそういうノリだったんですね!「集落の空海さんを守ってあげなきゃ!」とかじゃなくて。

章乃:もちろん、そういう気持ちもあったんだけど。気づいたら想像以上の本格的な修復になってました(笑)。

友人たちと協力し合いながらお堂も修繕した

ー移住者が、昔から集落に伝わる文化財を率先して直すっていう事例は、初めて聞きました。

泰英:お遍路のお礼参りに来たおかげで、理想の家が見つかった。だから、空海さんがボロボロだったら、僕らが直すしかないわけですよ。空海さんにはもう……。

章乃お世話になってるしな(笑)。

ー(一同爆笑)確かにお世話になってますね(笑)。

泰英:この集落には僕らしか居ないし。だから、修復するのは僕らしかいない。この集落に住むなら修復しようかな、って。

この集落は、今、空き家が2軒あるんですけど。僕らが移住するまでは消滅集落だったんです。

ーすごいですね!集落を蘇らせて、空海さんも蘇らせた。素晴しいです!

令和の顔にお色直しされた弘法大師像。取材の日もお賽銭が置いてあり、お参りに来ている様子があった。

自分たちが心地よいこと、楽しいことを選択する

ー泰英さんは、もともと旅好きだったり、あちこち行くのは好きなんですか?

泰英:それはある。

章乃:(泰英さんは)沈没体質

ー海外にも長期滞在してたんですよね。どこの国に行ってたんですか?

泰英:とりあえずアメリカ大陸を横断しようと思った。カナダからアメリカ、メキシコ……パナマまで中米を下った。次は南米に行こうと地図を開いたら「南米デカっ!」ってなって。

「中米おもしろすぎるし、もっと中米を掘り下げよう」ってなった。で、ほとんどメキシコに居た(笑)。

泰英さんが滞在していたメキシコオアハカ州の村。地元の方と散歩中。

ーどんなきっかけで帰国することになったんですか?

泰英:旅行中に絵を書いてたので、その展示のために帰国しました。そのあと、四国遍路に行こうと思って香川に来たら、すぐに高松市でおもしろい人たちに捕まって。「ギャラリーに住んでいい」って言ってくれた。

章乃:ギャラリーの屋根裏に、ハンモック吊るして寝てたよね。

泰英そんな暮らしも面白いな、って思って。数日居ようかな〜、って思ったら、どんどん……その後、女木島に引っ越したりもして。気づいたら香川に10年くらいいた(笑)。

女木島から見る日の入りと月の出。山暮らしと違った太陽の姿が見られるのだそう。

泰英:「こっちの選択の方がぜったい面白い」っていうのを意識してた時期はあるかもしれない。

香川でお遍路に行かずに、ずっと滞在してたのも「こっちのほうが面白い」って思ったから。

ー金銭面とか、心配な事はない?

章乃:うーん、お金がなくても死にはせんしね(笑)。困ったらバイトもあるしな!

泰英:和歌山だと、ミカンとか梅とか、季節労働の仕事もある。

章乃:例えば「旅行に行きたい」って思ったら、必要な分だけ貯める。帰ってきて無かったら、また働くか、みたいな。

愛犬のムギちゃん

章乃おもしろくて自分が心地よければええかな、って感じ。もし何か問題にぶつかっても、なんとかなるって思ってる。

泰英:なにか起こっても、それはそういうことで仕方ない。まぁ、何が起こっても楽しみやね

2023年春のカフェ開業に向けて準備中

ー日高川町での暮らしはどうですか?

泰英・章乃ホント最高!

ーよかった!また沈没しちゃいますね!(笑)どんな所が最高ですか?

泰英:薪を使った生活とか。思ってたこと、やりたかったことがどんどん実現していってる

章乃:やりたいことがいっぱいある。

地元の大工さんと一緒に製作中のかまど。かまどを作れる職人はかなり減っているという。かまどの熱を活用して温水も作れるシステム。

ー今春にカフェをオープンするとお聞きしました。以前からお店をやりたいと思ってた?

章乃:高松でやすくん(泰英さん)が住んでたギャラリーが、自由に色んな人が出入りできる店で良かったんです。店をしたら色んな人が来てくれて、それが楽しいかなって。

人が来てくれて、自分たちも楽しい!」そんな場所を作りたい、っていうのはずっとあった。

ー泰英さんは絵も書くんですよね。カフェでも展示するんですか?

泰英:します。元々絵が好きで。海外旅行中にもずっと書いてた。時間がたっぷりあったから、ボールペンを使って、細かいタッチの絵になった。日高川町の絵も書きたいと思ってます。

泰英さんのボールペンアート

ーお店はどんな感じでやるんですか?

章乃:今のところは土日祝にランチや軽食、デザートなどを出そうと思ってます。地元の野菜をメインにジビエなども取り入れたいです

メキシコ料理が好きなので、サイドメニューで鹿のミンチを使ったタコスジビエでソーセージも作りたい。

あと、陶芸をしているので、作品をそのうち店で置こうかなって。

章乃さんの作品。独特のシルエットがカワイイ!

章乃:私、めっちゃ粘土が好きなんですけど。前、この家に住んでた人が陶芸家なので、陶芸できる環境が整ってるんですよ。自分で陶芸できる環境ってなかなか無いから。

ここに引っ越すことが決まってから、急いで3ヶ月くらい陶芸教室に通いました。ホンマに初心者なのに、いきなり陶房を持って好き勝手に始めた感じです(笑)。

泰英:でも(章乃さんは)器も作るけど、一番作りたいのは土人形だよね。ぜんぶ、メキシコのインスパイア(笑)。

章乃:メキシコの土人形が好きなんですよ〜。カフェスペースの奥はギャラリーにしたいと思ってます。

ー独創的な作品でステキですね!オープンが楽しみです。地元の方から「こんな情報がほしい」とかありますか?

章乃:カフェでジビエ料理を使いたいんですけど、お肉の仕入先がまだ見つかって無くて。どこか買える場所を教えてもらえたら、うれしいです。

 

プロフィール

川村泰英(かわむらやすひで)さん・章乃(あきの)さん

泰英さんは静岡県出身、章乃さんは香川県出身。泰英さんが四国遍路で香川県を訪れた際に、章乃さんと出会い、その後、結婚。友人を訪ねて和歌山を訪れた時に、今の物件を気に入り、2021年4月に日高川町へ移住。田舎暮らしを楽しみながら、2023年春に大楽(オオラク)をオープン。

ABOUT US
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佐藤 礼(さとうあや)インタビュアー
岩手県奥州市出身。2021年2月に日高川町へ単身移住。移住後に自身が感じた日高川町や田舎暮らしの良さを伝えたい!とインタビュアーとして活動中。ライター、看護師、農業、SNS運用などパラレルワーカーとして人生を楽しんでいる。 インタビューのご依頼等はコチラから。